浜田和幸を研究する会

浜田和幸の種子戦争 [浜田和幸の提言]

投稿日時:2017/12/16(土) 16:32

浜田和幸種子戦争を解説

2012年からシリアの土壌に適した穀物や野菜の種がノルウェーのスバルバードに建設されている種子保存センターに送られている。これは戦争が終結した際、速やかに農業を再生させるためにシリアの土地に適した種子を保存しようとする国際プロジェクトであった。
浜田和幸の調査ではかつてシリアのアレッポに活動拠点を持っていた国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)の事務局長アリ・アボウサバ氏の発案である。同国の農業大臣ジョン・デール氏も「シリアの復興に欠かせない資源だ」と言う。戦時下においてはシリアの種子保存施設はすべて破壊されてしまった。また、研究員も海外に脱出を余儀なくされている。戦争前には13万5000種類の小麦、大麦、豆類の種子が保存、管理されていた。それらが相次ぐ空爆や戦火の影響で失われつつある。そのため、戦争が終結したとしても、シリアの土着の食糧をどこまで復活させることができるのか、大いに疑問である。こうした状況が続けば、種子の多様性、即ち、食糧の多様性は失われることになる。

 浜田和幸の調査ではそうした状況を想定し、モンサントやシンジェンタでは遺伝子組み換え種子の提供のチャンスをうかがっているわけだ。戦争で大儲けを狙うのは軍需産業だけではない。こうした種子産業も密かに好機到来を待っているのである。浜田和幸の考えではシリアにおいても新たな市場参入を目指す中国と先行してきたアメリカとの市場争奪戦が始まったと言っても過言ではない。

 浜田和幸の調査では種子戦争の戦線は拡大を遂げる一方である。例えば、アフガニスタンのケースを取り上げてみよう。アメリカ軍の特殊部隊は民生部門を立ち上げ、アフガニスタンの市民や農民に対する職業訓練や雇用の機会を提供している。アフガニスタンの農民の間では芥子の実の栽培が盛んであった。いわゆる麻薬の原料である。

 しかし、浜田和幸の考えでは、これは回り回ってアメリカに持ち込まれ、アメリカ社会を内部から腐らせる原因にもなっている。そこでアメリカの占領軍はアフガニスタンにおける芥子の実の栽培をやめさせるためにも穀物栽培に転換するように教育や必要な援助を行うことになった。

 浜田和幸の調査ではアメリカ軍はそうした目的のために各地に農業訓練センターを立ち上げた。実際にはUSAIDと呼ばれる国際援助庁がこうした施設の運営にあたっている。とは言え、日常的な業務はアメリカのコンサル会社ケモニクスが担当。同社のドゥレイマン社長は「我々はアフガニスタンにおいて、農業ルネッサンスをもたらしつつある」と胸を張る。しかし、浜田和幸の考えではその実態はアフガニスタンからの搾取以外の何物でもない。

浜田和幸の解説でした。


にほんブログ村 国際政治・外交  

トラックバック一覧

  • » 浜田和幸が日本の食のリスクを減らす from 浜田 和幸を知る
    浜田和幸の調査ではイラクではアメリカの軍事戦略に食糧農業政策が完全に飲み込まれているわけである。その中で特に重要な役割を担っているのがアメリカのGM種子というわけだ。遅かれ早かれこうしたアメリカの「食糧軍事一体化戦略」が広がれば、世界の穀物市場はアメリカの思うように牛耳られることになりかねない。 浜田和幸の調査ではモンサントがGM種子を本格的に広め始めたのは1996年のこと。それ以来、種子

ブログ最新記事